ざっくり言うと・・・
・「着物」は着るものの総称で、明治時代に日本に洋服が入ってきたことから、和服を指す言葉として使われるようになりました。
・「浴衣」は着物の一種で、昔はお風呂上りや寝るときに着用するものでした。現在では花火大会などの夏祭りに浴衣で出かける人も多く、外出するときにも着用します。
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着物と浴衣の違いを解説
基本的に「着物」と「浴衣」は形状や構造、仕立ての方法は同じです。
「着物」の素材は主に木綿や絹、ウールなどを使用しており、またさまざまな生地の織り方が施されていて、着物はお出かけ用や人前に出るときに着用するオシャレ着をのことを言います。
また着物は、裏地があるものとないものがあり、6月から9月ぐらいの暑い時期は裏地のないものを着用します。
さらに着物は、内側に長襦袢や半襦袢を必ず着用し、素肌に着ることはありません。
一方「浴衣」は、綿で作られたものが主で、裏地がついていません。
また夏に着用することが多く、お風呂上りに夕涼みをしてそのまま就寝するためのものであり、現在でいうパジャマのような役割です。
最近では、夏祭りなどに着用するようなオシャレな浴衣もあり、気軽に楽しむことができます。
英語ではなんて言う?
和服の着物を指す場合はそのまま「Kimono」と言います。
総称としての「着物」は、英語では「clowthes」「clothing」と言います。
「浴衣」は日本文化ですので「Yukata」です。
浴衣の説明をする場合は、夏に着るカジュアルな着物という意味で「a casual summer "kimono"」と説明するといいでしょう。
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着物と浴衣の歴史
着物の歴史は奈良時代までは、ズボン型とスカート型の衣服と上下の組み合わせや、ワンピースの様な衣服が主流でしたが、平安時代ごろから布地を直線に裁つ「直線裁ち」で着物が作られるようになり、着る人の体型に関係ない、現在の形の着物が生まれました。
直線裁ちの着物は、片付けるのも簡単で寒い時期には重ね着や、暑い時には涼しい素材が使えるなどの工夫がしやすいことから多くの種類の着物が作られ、日本人の生活になじんでいきました。
鎌倉時代以降は、女性のみならず男性も華やかな色の着物を着るようになりました。
江戸時代になると、全国の大名が藩ごとに模様が決まった裃を身に着け、武士たちが着るようになったことから着物の技術が高くなり、着物そのものの価値が高くなりました。
そのころから、着物は家の財産として、親から子へ伝えていく風習ができました。
明治時代になると外国の文化の影響を受けはじめ、官僚や軍人などは「正式の場では洋服を着るように」と命令があり、一般庶民には着物には「家紋」を入れたものが礼装とされ、それ以降「家紋付き」が着物での礼装になりました。
浴衣の歴史は、平安時代に貴族が入浴時にまとった麻の着物「湯帷子(ゆかたびら)」が起源との説があります。
当時の入浴は、サウナのようなところで複数の人と一緒に蒸気を浴びるような形だったので、肌を隠す、やけどを防ぐ、汗を吸い取るなどの目的で使われていました。
また安土桃山時代には、入浴後の汗を吸い取る目的で着られるようになり、そのころから「浴衣」という字に変わっていきました。
江戸時代にはお風呂屋さんが普及し、現在のように裸でお風呂に入る形が一般的になりました。
最初はお風呂上りに夕涼みをする目的で着られていた浴衣も、しだいに浴衣姿で外を出歩くようになりました。